船級(協会)とは

造船業界では、船級(協会)という言葉は多く使われますが、業界を離れると知名度は低いと思われます。
船級とは、わかりやすく言うなら車の車検みたいなものです。
車は日本のルールとして購入時に車検を受けなければなりません、また定期的に検査を受けて合格が必要です。
これは日本国内での安全走行のためです。

船については、海外を航行する船であれば日本のルールだけでは通用しません。
世界中を安全に航行するため非政府組織である船級協会が国際条約に沿って協会独自基準を作成しています。
船や搭載される機器がその基準に準じて製造されているか船級協会の検査官が検査を行います。
検査が合格になれば、その船は船級船になります。(例:NK船、LR船、ABS船…)

車検と同じように、船にも安全のための検査があるということです。
しかし、必ず船級協会の検査が必要であるというわけでもありません。
船級協会の検査を受けずとも船は海で航行することができるのですが…

なぜ船級が必要か?…船は多数の人命と貴重な財産を運んでいます。
万が一の事故等の為、保証=保険が必要になります。
船に何かあった際にすべての保証が難しいため保険が必要になります。
保険会社はその船が船級の検査合格していることが判断基準としています。
第3者機関の船級協会が検査して安全で問題の無い船と判断され保険がかけられます。

船自体の保険は、オーナーがかけますが、
運搬する荷物については、オペレーターが保険をかけるケースが主流のようです。

日本船籍で内航船であれば、船級JG(=日本/運輸局管轄)が多数になります。

各船級の受検には、工場承認が必要になる可能性もあります。
造船所、機器メーカーがすべての船級に対応しているわけではありませんので確認が必要になります。

 

■国際船級協会一覧

  略号 国(本部)
日本海事協会(Nippon Kaiji Kyokai) NK 日本(東京)
ロイド船級協会(Lloyd's Register of Shipping) LR 英国(ロンドン)
ビューロー・べリタス(Bureau Veritas) BV フランス(パリ)
アメリカ船級協会(American Bureau of Shipping) ABS 米国(ヒューストン)
韓国船級協会 (Korean Register of Shipping) KR 韓国(大田)
DNV GL船級協会 (DNV GL AS) GL ノルウェー(オスロ)
ロシア船級協会 (Russian Maritime Register of Shipping) RS ロシア(サンクトペテルベルク)
イタリア船級協会 (Registro Italiano Navale) RINA イタリア(ジェノヴァ)
ギリシャ船級協会 (Hellenic Register of Shipping) HR ギリシャ(ピレウス)
ポーランド船級協会 (Polish Register of Shipping) PRS ポーランド(グダニスク)
クロアチア船級協会 (Croatian Register of Shipping) CRS クロアチア(スプリト)
インドネシア船級協会 (Biro Klasifikasi Indonesia) BKI インドネシア(ジャカルタ)
インド船級協会 (Indian Register of Shipping) IRS インド(ムンバイ)